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雪国の憂鬱

こんにちは。

真丸特殊紙業株式会社 新潟総務部の田中です。


新潟工場がある新潟県阿賀野市では、12月中旬頃に雪が降り積もりました。少し前から降っては溶けを繰り返していましたが、とうとう積もってしまい項垂れております。雪を見る機会が少ない方からすると、素敵な景色に見えるかもしれません。しかし現地の人からすると、外に出る度に、寒さと地面の不安定さと視界不良に耐えなければならない毎日が始まった、という感覚です。


青空と雪が残る駐車場

↑新潟工場の裏側にある駐車場です。たまたま晴れていたので出勤中に撮りました。


実際に、緊急事態に見舞われることが多々あります。例えば新潟では、2018年に積雪の影響で信越線の電車が立ち往生し、乗客が半日以上電車内に閉じ込められる事態となりました。また、2022年には県内の高速道路が通行止めになった影響で、国道8号線に渋滞が発生。その後積雪により24時間以上の立往生が続きました。そうでなくとも、毎年のように「不要不急の外出を控えるように」と国や県などが呼びかけます。これら全ての原因は、短時間での積雪による移動手段の断絶です。


ところで、北海道では雪が積もらず、風で飛んでいくという話をよく聞きます。そんな夢の

ような現象があるのかと思ってしまいますが、実際に北海道と新潟では気温と湿度が異なるようです。


私たちが目にする雪というのは、上空にある氷の粒が、地上に落ちてくるまでに水蒸気をまとったり氷の粒同士が合体してできる結晶です。これが形を保ちながら落ちてくるのは、地上の気温が3度以下の時です。しかし、-4℃以上では結晶の表面に薄い水の膜があるため、結晶同士が合体し更に大きくなります。そのため水分を多く含んだ重い雪となります。一方、-5℃~-10℃になると、結晶の表面にある水の膜は一部乾きます。-11℃以下になると結晶の表面は完全に乾きます。そのため風に飛んでいくほどの軽い雪となります。気温によってかなり変化する雪ですが、ここに湿度も関係することで更なる変化を起こします。


温かい空気というのは水蒸気を多く取り込みます。対して冷たい空気は水蒸気をあまり取り込みません。そのため気温が高ければ雪の水分量は上がり、気温が低ければ雪の水分は下がります。新潟は、気温・湿度が高い地域です。地面は勿論、家、車、木、電線、歩行者の頭や肩、あらゆるところに雪が引っかかり積み上がっていきます。次第に水がしたたり落ちますが、いつしか凍り、つららが出来上がります。故に一部の地域では、雪かきをしなければ重さで家が潰れるという事態が発生します。一方北海道は、気温・湿度が低い地域です。雪が軽いため、風が吹くとあらゆる方向に飛んでいきます。また、溶けないため服についた雪は後から払っても綺麗に落ちるそうです。


このように並べてみると、北海道のような気温・湿度の低い地域が羨ましくなりますが、-10℃以下の世界が既に想像つかないため、きっと新潟とは全く別の困難があるのでしょう。ともかく雪が降る地域も降らない地域も、現代の文明を駆使して冬を乗り越えましょう。

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